「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

「そんな言い方しなくてもいいじゃないの」

言われて、

「…ああ、悪い…」

と、その場しのぎな謝りを返す。

「……頭が、痛くなるんだ…最近」

片手で頭を抱えたままで言う。

「頭痛がするなんて、なんかいろいろ考え過ぎたりしてるんじゃないの?」

あまりにあっさりと心の内が見抜かれて、

「……どうして、そう思うんだ……」

半ば呆然と呟く。

「……だって、苦しそうな顔してるから。そんな顔見れば、誰だってそう思うわよ」

「……苦しそう…僕が……」

グラスから酒を飲む。

飲んで泣いた記憶が、まざまざと頭の中に蘇ってくる。

「……違う」

さっき声を上げて否定した一言を、もう一度くり返して、

相変わらず会話の糸口すらも見つからず、つのる苛立ちに自棄になりそうで口をつぐんだ……。




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