「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
「ほら、思うところがあるから、そんな風にも怒りたくなるのよ。もっと、面倒くさくない生き方をしたら?」
「僕は、面倒くさくなど……」
「……わかってないのね」
と、母がグラスを傾けて、ため息を吐く。
「……いい? 恋なんて、もっと楽にすればいいのよ。あなたみたいにがっちがちに意地張ってたって、つまらないだけよ」
「……意地など張っては……」
否定しようとするのとは逆に、顔が赤らんでくるのがわかる。
「…聖哉。あなたは、忘れちゃったのよ。愛するってことが、どんなことなのか。……オルガスムスを感じてないのに、イったふりばかりしていて、本当の絶頂がなんなのかわからなくなってしまう感じかしらね」
「……たとえ方が、よくわからない…」
と、かけているメガネを指で押し上げる。
「私は、あなたみたいに、言葉をよく知らないから、うまくは言えないけど、つまりは自分に嘘をついてると、本当の自分の気持ちもわからなくなっちゃうってことよ…」
母親の言葉に、何も返せずに黙り込む。