「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
-6-
ーー会社の廊下で、前から歩いてくる彼女の姿が目に入った。
すれ違いざまに手首を取って、
「今日、食事に行かないか?」
と、誘いかけた。
「え…?」と、驚いたように、こちらを見る。
「……いいけど」彼女が応えて、「いつもみたいに、下で待ってればいい?」と、訊いてくる。
「ああ」頷いて、「仕事が終わったら、すぐに行く」続けた。
「わかった…待ってる」
彼女は微笑むと、顔の横で小さく手を振って歩き去った。