「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
会社を出ると、程なくして彼女が現れて、
「この先に、隠れ家風のお店を見つけたの。そこに行きましょう」
言って、先に歩き出した。
……路地を入ったわかりにくい場所にある店で、席に座って、
「……珍しいのね」
と、彼女が口をひらく。
「あなたの方から誘ってきたことなんて、今までなかったのに」
「今夜は、少し話があったからな…」
「……話?」と、彼女が首を傾げる。
「ああ、飲みながらでも話す」
オーダーをして、運ばれてきたワインで軽くグラスを合わせる。