「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
「そうなの? 秘密主義なのは、変わらないのね」
彼女がくすりと笑う。
「本当に、何もない…」と、頭をよぎる母との出来事を振り払う。
「そう、ならもう聞かないけど、嬉しかったから、もう一回乾杯をして?」
もう一度、グラスをカチンと合わせる。
「聖哉さんが、いつか結婚をしてくれるのなら、いつまでも結婚できなくてもいいかなって思えてくる」
「さっきも言ったように、結婚の確約をしたわけでもないだろ」
「うん…でもいいの。ちょっと幸せ……だから、それでもいいの」
言って、彼女は残りのワインを飲み干した。