「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

「……キスぐらい、させろよ」

絡むような視線から、目をそらして、

「男とキスなどしない。もう離せ…」

相変わらず抱え込んだままの腕の中から、脱け出そうとする、

その目の前で、奪ったグラスからアルコールを含んだ佐伯が、

またしても、口移しに飲ませようとしてきて、顔をそむけたせいで、

大半の酒が口からこぼれて、シャツの胸元を流れ落ちた。

「…くっそ、酒臭くなるだろうが…」

濡れて身体に貼りつくシャツをつまむ。

「おまえが、キスぐらいさせないからだろ…」

「まだ、そんなことを言うのか…」

半ば呆れ気味に口にしながら、酒のかかったネクタイをほどこうとすると、

「……そそるっていうのは、嘘じゃない…」

と、今度はグッとネクタイをつかまれた。



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