「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

ざわざわとざわつく中で、

「……今夜、食事に付き合ってくれませんか?」

不意に唇を寄せて、囁かれた。

この状況でも、まだ誘ってくるのかと……それなら、単純に面白いとも思った。

「……ああ」

返すと、さも仕事上で教えてもらったことへ礼を言うかのように、「ありがとうございます」と軽く微笑んで、

「…また、よろしくお願いしますね…」

と、席に戻って行った。

席に着いたのを見届けて、改めて(あの女、誰なんだ?)とも思っていると……

「南さんに頼られるなんて、いいな」

と、佐伯が横から口を出してきた。



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