「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

まさか、彼女か……。そう思いつつ、目をじっと合わていると、

視線をはずさずに、ゆっくりと片目を閉じて見せて、その仕種に男慣れでもしてるのかと思う。

そんなのを可愛いとは、到底思わない。

自分を可愛いと思ってるようなのは、大概が本質は可愛いくもない。

そう考えたら、食事に行くのが憂鬱にもなってきた。

だが断るわけにもいかないまま、やがて退社時刻はやって来た。

……待っているのかと、憂鬱な気分を引きずりつつ、エントランスを出る。

何処にいるのかとも思っていると、

「…桐生さん、こっちです」

と、並木の影に腕を引っ張っられた。



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