「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
「桐生さんと、このお店で食事ができるなんて、夢みたい」
夢みたい……か、口の中で呟いて、向かいの彼女を見返す。
男好きのしそうな、長く巻いた髪が目に入る。
「……桐生さんって、付き合ってる人はいるんですか?」
グラスを合わせ、訊いてくるのに、
「いない」
とだけ、答える。
「……だったら、私と付き合って……」
言い終わらないうちに、「付き合わない」と、遮る。
「……どうしてですか?」
彼女の笑い顔が、途端に怪訝なものに変わる。