「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

「 ……上手。……やっぱり、言うだけあるのね…キスも、うまい……」

ハァ…と、彼女が唇から吐息を漏らす。

自分もシャツの袖を抜きながら、身体の上に跨る。

「……いいのか? 最後までしても…」

「…いい。して…」

裸の身体を押しあてて重ねる。

「……好きにはならないとわかっていて、抱かれることは嫌じゃないのか?」

ふと確かめてみたくなる。

「…え?……ん、構わない。……少なくとも、私には意味があるから」

「…意味? どんな…」

誘いかける半開きの唇に、口づける。

「……あなたが欲しくなったの。……簡単に手に入れられないから、とても欲しい。……あなたと、真逆よね?」

「……僕は、君がどんなに欲しくても、手に入るつもりもないが」

そう返すと、彼女は微かに笑って、

「……身体は、手に入るんでしょう? それでも、いい……桐生さんを、感じることができるのなら…」

と、続けた。

息をつく彼女に、「……するだけの相手には、否定的じゃなかったのか?」訊いた。



< 33 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop