「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
「 ……誰か、思い出す人とか、いるんですか?」
付き合いのあった女の顔を思い起こそうとするが、何も浮かぶものもなく、
「いない…誰も」
と、呟く。
「……本当に、誰も好きになってこなかったんですね…桐生さんって」
「そう言ったはずだ」
「私にだって、好きになった人の思い出ぐらいはあるのに……」
言う彼女に、
「思い出など、くだらない…。不要な記憶が、かさむだけだ…」
ふぅ…っと、ため息が漏れる。
「そこまで言うなんて……」
と、彼女が目を上げて、顔を見つめる。
「冷たすぎて……非難されたことも、多かったでしょ?」
「慣れている。自分でそうしているんだ……どう非難されようと、構わない」
「相手にはどう言われてもいいなんて……私は、そんなの言われ損だと思うけど」
と、 頬を寄せてきた。