「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
「飲みたいものを、飲んでいるだけだ」
「……そうだろうな」
と、佐伯がわざとらしくまた息をついて、
「少し、もらってもいいか?」
と、瓶を手に取った。
「ああ、もう終わりだが」
「こんなに高そうな酒は、少しでいい。俺の体が受け付けなくて、逆に悪酔いしそうだからな」
渇いた笑いを付け足す。
「……こんな時間に、どうして来たんだ?」
奴の持ってきた酒を、グラスに注ぎ入れる。
「気にしてくれんのか? いや、今日は俺が仕事でミスをしたせいで、今まで帰れなくてな…」
「……自分のせいなら仕方ないだろう」
「…まぁ、そうなんだけど。俺って、つくづく要領が悪いよなと思ってな」
グラスを傾けて、
「そんなのは、前からわかっていたことだろう。まさか、今さら気づいたわけでもないだろ」
言う。