「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
「……もう少し、飲ませろって」
グラスを手から奪い取って、ドボドボと酒を注ぐと、
「……俺が、もしおまえだったら、恋愛し放題でハーレムでも作るんだがな。おまえみたいに、誰も好きにならないとかめんどくさいことは言わずにさ…」
一息に飲んで、派手にむせ返る。
「…飲み過ぎだ。大概にしろ…」
「…くっそ…おまえばっか、いい思いしやがって……俺だって、恋愛ぐらいしたいって!」
酔うと音量の上がる声に、「夜中に迷惑だ」と、口を塞ぐ。
「…離せ、 もう静かにするし……」
手をはずして、
「……おまえなんて、どんだけの女の子から"聖哉さん"とか呼ばれてんだよ?」
ぼやくように口にする。
「……呼びたければ、呼ばせてるだけだ。たいして興味もない」
「興味もないってな〜おい、俺なんかいつから名前で呼ばれてないと思ってんだよ? "彰さん"って呼ばれたのなんか、もう何年前だか……!」
「うるさい。静かにしろと言ったはずだ」
彼の目の前のグラスを、テーブルの死角へ引き寄せた。