「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
ボトルを片付けながら、
「……まだ、帰らなくていいのか?」
と、佐伯に促す。
「……泊まらせろよ。帰りのタクシー代まで、持ち合わせてない」
「男を泊める趣味はない」
「なんもしねぇよ! ああ…違うか。男相手に何言ってんだ、俺は……」
ネクタイをほどいて、
「おまえが、そんな言い方をするからだ」
と、横目に見た。
「……帰らないのか。ネクタイをほどくとか」
ソファーに放置されたネクタイを見やる。
「……いいだろ。どっちにしても、割りと酔ったしもう帰れない」
と、既に寛いだ風で、背中をもたせかけた。