「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

「……これでも、男の人を妬かせるのは上手い方なんだけど……」

「他にも、男がいるのか……」

「まぁ、それなりに。みんな、ちょっと気持ちをくすぐるだけで、すぐに嫉妬をしてくるから」

「ふん…」したたかな考え方だと思う。

「……だけど、そうやって気持ちを確かめていないと、本当は、不安でいられないの……」

したたかさを見せたかと思えば、急に泣きそうな声にもなって、

「……ねぇ、抱いていて…」

寂しげな眼差しで、せがむように顔を見上げてくる。

両腕でその身体を抱え込むと、

「……ありがとう。……あなたの腕の中は温かくて、不安じゃなくなる……」

と、胸に頬を寄せて、潤む目を閉じたーー。







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