「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

近づいてくるのに、メガネをかけ直して見ると、

「……玲奈か?」

歩いてきた彼女が、横に立った。

「…うん、残業してるみたいだったから、ちょっと差し入れに来てみたの」

「……もう帰ったんじゃなかったのか?」

「……近くで、飲んでたから」

「…男とか?」

興味はあまりないが、話のついでに確かめてみると、

「うん…そう」

と、彼女は隠しもせずに答えて、

「……あなたに取りつくろっても、しょうがないでしょ?」

と、缶コーヒーを差し出して、こっちの考えを見透かしたように付け足した。



< 68 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop