「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
近づいてくるのに、メガネをかけ直して見ると、
「……玲奈か?」
歩いてきた彼女が、横に立った。
「…うん、残業してるみたいだったから、ちょっと差し入れに来てみたの」
「……もう帰ったんじゃなかったのか?」
「……近くで、飲んでたから」
「…男とか?」
興味はあまりないが、話のついでに確かめてみると、
「うん…そう」
と、彼女は隠しもせずに答えて、
「……あなたに取りつくろっても、しょうがないでしょ?」
と、缶コーヒーを差し出して、こっちの考えを見透かしたように付け足した。