「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

「……平手打ちをされたのか…」

頬を押さえて立ちすくんでいる彼女のそばに歩み寄る。

「…うん。だけど、こんなのよくあることだから……」

と、笑って見せるのに、

「大丈夫なのか……」

ふと気にかけるような言葉が漏れる。

「……心配、してくれるの? でも、大丈夫だから、」

ぎこちない笑いを浮かべたままの彼女に、

「……見せてみろ」

壁に片手をついて、一方の手で顎を持ち上げて、その横顔に目を落とした。

「……赤く腫れてる」

「うん…けっこう思いっきり叩かれたから……」

「……痛むのか?」

頬に手を伸ばそうとすると、

「触らないで…」と、顔をうつむけて、

「触らないで……でも、キスして……」

と、口にした。



< 77 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop