「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。
「どうして、キスなんだ……」
不意の言葉の意味もわからずに聞き返すと、
「……キスしてくれたら、治るから」
と、頬を押さえたまま上目に見つめた。
「……くだらない」
と、一旦は目をそらしたが、
壁にシャツの肘を折り曲げて、顔を近づけると、再び顎を手に取った。
手がはずされた頬に、唇をあてて、
「……こんなので、治るわけもないだろう」
呟く。
「キスは、特効薬だから治るの」
と、彼女は言って、
「……ありがとう。ちょっと嬉しい……本当に、痛みが少し引いたかも」
もう一度、笑い顔を作った。