大切で大好きな君へ。【短編】
でもね。





嘘をついてでも君の背中を押したこと、後悔なんてしてない。


君がずっと迷ってたこと、知ってた。


夢を選ぶか、私を選ぶか。


嬉しかった。


ちゃんと私を好きでいてくれてるんだって、実感したから。


でも、悲しかった。


夢と私を天秤にかけるなんて、間違ってると思ったから。


夢と私、本当に大切なのがどっちか、君はどこかでわかってたはずだよ。


君がどっちも手に入れられるほど器用じゃないこと、ちゃんと知ってる。


だから、私は背中を押したんだ。


私も君に負けないくらい不器用だから、君を傷つけてしまったことだけは後悔してるけど。
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