オオカミさんとウサギさん
めでたしめでたし
むかしむかし
人気者になりたいウサギさんがいました
ウサギさんは気づいてしまったのです
ヒーローは長くは続かないと
悪者がいなくなったら ヒーローは必要ない
人気者は一瞬の栄光にすぎないのです

ふと、ウサギさんは気づきました
誰かを傷つける必要が本当にあるのか
誰かを殺す必要は本当にあるのか

自分が意地悪なことは知っていました
それでも、再認識した途端
自分が人気者になれるはずがない
そう悟り 絶望しました



せめて

せめて誰かの記憶に残りたい

自分が最低だとわかった

わかっていた

だから

それなら










『ああ、そうだよ
悲劇のヒロインは忘れられないよね?
正義のための犠牲は 忘れられないよね?』
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