【短編】キスからはじまるカンケイ【完】
「キスの日なんですよね?」


「あぁ」


「じゃあもっとしてくれません?」



あたしは須坂さんに手を伸ばす。



「夕凪?」



急に須坂さんを見ると輝いて見えるようになる。
これはなんなんだろうか。



「キスからまずは始めましょ」


「知らねぇぞ。どうなっても」



須坂さんはすこしかがんで椅子に座っているあたしにキスをもう一度落とす。



「…んっ」



今度のキスは熱くてとろけてしまいそうな口付け。
そんな口付けにあたしはどうにかなってしまいそうだった。



「お前が誘ったんだからな」



そう彼はネクタイを緩める。



「待って、会社では嫌です」


「ふーん?会社じゃなかったらいんだ?」



怪しい笑みで微笑む彼にかーっと顔が赤くなる。



「帰ろう」



あたしを椅子から立ち上がらせる。



「夜はこれから。な」



キスの日からはじまるあたしたち。
なんていうのかわからない。
これからあたしたちは始まっていくみたいだ。



「たくさん愛してあげるよ」



いままでとは違う彼にドキドキするばかり。
彼に溺れてしまいそう。


-Fin-

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