【短編】キスからはじまるカンケイ【完】
「お前らほんとうるさいよな」
少し遠くでぼそっと呟かれるがあたしの耳には普通に入ってきた。
「すみません」
あたしはこの人が苦手だ。
いつもいつも怒られてばかりだし。
要領の悪いあたしがいけないのかもしれないけどもう少し言い方ってものがあってもいいのではないかと常々思う。
「また作業時間かかるのか?」
いつの間にあたしの後ろに来ていた須坂さん。
「ちょっと要領悪いので…」
「要領悪いってわけじゃないだろ」
あたしのパソコンの画面をじーっと見ながら言う。
「え?」
要領の悪さをまた言われると思ったあたしは拍子抜けして須坂さんの横顔をただ見つめてしまう。
筋の通った鼻筋で。
結構好みかもしれないなんて考えてしまうけど、こんな怖い人ゴメンだし、彼も彼であたしなんて嫌だろう。
「夕凪(ユウナギ)は要領が悪いわけじゃないよ。丁寧なんだよ。人よりも」
急に褒められたような気がしてドキンと胸が高鳴る。
そんなの気のせいのはずだ。
この人にときめくなんてありえない。
少し遠くでぼそっと呟かれるがあたしの耳には普通に入ってきた。
「すみません」
あたしはこの人が苦手だ。
いつもいつも怒られてばかりだし。
要領の悪いあたしがいけないのかもしれないけどもう少し言い方ってものがあってもいいのではないかと常々思う。
「また作業時間かかるのか?」
いつの間にあたしの後ろに来ていた須坂さん。
「ちょっと要領悪いので…」
「要領悪いってわけじゃないだろ」
あたしのパソコンの画面をじーっと見ながら言う。
「え?」
要領の悪さをまた言われると思ったあたしは拍子抜けして須坂さんの横顔をただ見つめてしまう。
筋の通った鼻筋で。
結構好みかもしれないなんて考えてしまうけど、こんな怖い人ゴメンだし、彼も彼であたしなんて嫌だろう。
「夕凪(ユウナギ)は要領が悪いわけじゃないよ。丁寧なんだよ。人よりも」
急に褒められたような気がしてドキンと胸が高鳴る。
そんなの気のせいのはずだ。
この人にときめくなんてありえない。