【短編】キスからはじまるカンケイ【完】
「いいけど、帰らなくていいの?」


「明日休みだし」



元太も自分に買ってきたのであろう、シュークリームを頬張る。



「そっか。マッハで終わらせるね」


「はは。普通にやれよ」



せっかく元太が待っていてくれるんだ。
遅くまで待たせるわけにはいかない。



「なぁ、邪魔」



今まで聞いたことのないぐらい低い声で須坂さんの声がこちらに向けられる。



「え?」



誰も須坂さんの邪魔なんてしていないはずだ。
須坂さんに声をかけたのは元太がコーヒーを持っていったときが最後。



「お前がそこにいると夕凪が早くやろうとする。夕凪は早くやろうとすればするほど間違える。そんで更に遅くなるという悪循環なんだよ」



なんでこの人はこんなにあたの行動を理解しているんだろうか。
たしかにあたしは須坂さんが言った通りだ。



「じゃあゆっくりやって。俺、ドライブでもしながら待ってるから。送るよ」



罰が悪そうな顔をして元太がブースから出ていく。

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