【短編】キスからはじまるカンケイ【完】
「なんであんなこと言うんですか…?」



たしかに正論だけど。
元太はあたしのことを思ってきてくれているのに。
そんなのあんまりだ。



「あいつと付き合ってんの?」


「え?」



話が噛み合っていなすぎて思わず首をかしげる。



「付き合ってんの?」



いつの間にかあたしの隣の席に座っていた須坂さん。



「付き合ってないですよ」



ただの同期であって。
なんの関係もないのに。



「じゃあ送ってもらうの断って」



机の上にあるあたしのスマホをあたしの手に乗せる。



「どうして、ですか?」



実際付き合っていたっていなくって須坂さんには関係ないのに。



「俺が送るから」



ズボンのポケットから車のキーを出す。



「結構です!」



なにが嬉しくてこの人に送ってもらわないとならないのだ。
この会社から1歩でたらもう関わりたくもないぐらいこの人のことが怖いのに。

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