ないちゃだめ

──今からほんの一年前。
この高校の入学式の日。
私は持ち前の人見知りを存分に発揮し、誰にも話しかけられずにいた。
「名前なんてゆうの?」
今でもはっきり覚えてる。唐突にそう尋ねられたことを。
その声のする方向へ向くと目が二重でぱっちり、オン眉パッツン前髪、明らかにやけた肌。
満面の笑み。
一般的には耳に残る高い声。
満面の笑み...すぎるぞ。

今ではそんな声も心地いい。
それがリサと私の出会い。
高校生活が始まりリサとたくさん関わることで実々花とも知音とも話すようになってそれからずっと4人でいる。
なんにも悩みなんてなかった。

「席につけー」
担任は去年と変わらず原田先生。
安定を求めるただの国語教師。
少しザワつくのはみんな自分の席が張り出されてないから。
先生がそれに気づいて赤い顔をする。
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