咲かない花
2.5歳の頃
春の風に吹かれながら愛恋のひざの上でひなたぼっこする。
もうすぐで保育園も卒業かぁ。なんかさみしいなあ。
「沙那?どうした?」
心配そうに顔を見つめてくる。カッコいいなあ。
「何にもないの。ぼけーてねしてだけなの。」
「ならいいんだけど。」
「うん」
「ねぇ、沙那。」
愛恋が桜を見つめる。まだ咲いていない桜を。
「咲かない花はね、花じゃないの。
それと同じでね実らない恋は恋じゃないと思うんだけどどうかな?」
難しすぎて分からないなあ。思わず首をかしげる。
「まだ5才だからわからないね。
ごめん、忘れて。」
悲しそうな顔をする愛恋に思わず抱きつく。
「愛恋兄ちゃん、沙那ね大好きだから元気だして?」
「ありがと。」
頭を撫でられる。愛恋の手すきだなぁ。
「よしっ。3月7日は誕生日だし卒園式もあるし買い物いくか!」
「お兄ちゃん、来週だよ?」
「いいの、行くよ。じゅんびしておいで。」
お気に入りの帽子をかぶって靴をはく。
バタバタと急いで愛恋がやってくる。
「お待たせ。いこ?」
手を繋いでデパートに行く。
まずランドセルを見る。
「沙那、何色がいい?」
「桜色かな」
「沙那ぽいね。」
優しく笑いかけられる
ランドセルを買ってもらい他に小学校に必要なものをいろいろ買ってもらう。
「沙那、疲れた?」
「少しだけ」
「じゃあ美味しいものでも食べる?」
「うん!!」
「かわいいんだから」
喫茶店につれていってもらう。
「僕とパフェ半分こにしようか?」
「うん!!」
愛恋がお店のお姉さんに頼む。
愛恋って
「大人だね。何でもできるもん。」
「そうかな。僕はもっと大人になりたいかな。」
「何で?」
「沙那をもっと守れるようにかな?」
そう言うと愛恋は顔がりんごみたいになった。
「お兄ちゃんはもう沙那のヒーローなの。」
精いっぱい言う。
「ありがと。ちょうど来たね。食べようか。」
2人でパフェを食べる。
「沙那は欲しいものある?」
「ないかな」
「じゃあ楽しみにしてて」
「ん?」
「僕が買ってくるよ」
「ありがとう」
パフェを食べ終えて2人で手を繋いで帰った。
~1週間後~
卒園式が終わり愛恋とお母さんと家に帰る。
家に着くと愛恋のお父さんがいた。珍しいなぁ。
「あっ、おじさん。久しぶりだね。」
「おっ、沙那ちゃんは相変わらずかわいいね。」
愛恋に似た顔で笑いながら私の頭をなでる。
「沙那、おいで。」
愛恋が少し怒った顔をしながら私をひざの上にのせる。
「沙那、今日みんなでお祝いしようね。」
「うん。ケーキは?」
「買ってくるよ」
お母さんが珍しくしゃべった。
「じゃあ愛恋、お父さんと沙良さん、出掛けるからお留守番頼むぞ。」
「んー、いってらっしゃい」
しょぼんとするけど愛恋と一緒だからいいかな。
「沙那、ちょっと行ってくる。ここで待ってて。」
「んー」
愛恋がリビングから出ていく。
「おとん、沙良さん、なんで沙那が誕生日の日に出かけんだよ。誕生日くらい寂しい想いさせんなよ。」
玄関にいるらしく声が聞こえる。
「愛恋、落ち着きなさい。お父さんたちは婚姻届を出しに行くんだ。」
「は?」
「いつまでもお前をあずけっぱなしはよくないだろ。それに…。」
「俺の気持ちはどうでもいいんだな。じゃあいってらっしゃい。」
おじさんがお父さんになるのかぁ。愛恋と結婚できないなあ。
愛恋が苛立ちながら戻ってくる。
「沙那、お待たせ。ってどうした?」
「…」
「泣かないの。」
「沙那、お兄ちゃんのお嫁さんになれないの?」
「大丈夫だよ。絶対になれるから。」
「本当?」
「うん。」
ちょうどチャイムがなる。
「沙那、一緒に見に行こうか」
「うん」
愛恋に抱き抱えられて玄関に行く。
「はーい、誰?」
玄関を開けるとかわいい女の子2人がいた。
中学校のお友達かな?
「なんで玖慈羅(くじら)と要珂(いるか)がいるんだよ?帰れよ。」
そっと地面おろされる
「沙那、リビングに行ってくれない?お兄ちゃん、このお姉さんたちとお話するから。」
「ん。分かったよ。」
リビングに戻るふりして話が聞こえる場所に隠れる。
「愛恋君、いつ学校に来るの?
愛恋君が来ないから淋しい」
「玖慈羅がいるから行かない。振られてるんだから諦めたら?」
「でも、」
「玖慈羅、ちょっといいかな。
愛恋、学校来ないのはいいけど不良と絡むのは良くないと」
「うるせーよ。おまえらに何がわかんだよ。さっさと帰れよ。玖慈羅の顔も見たくない。今、好きな人の面倒見てるから。じゃあ」
ドアを強引に閉める音がする。
愛恋、私の事が好きなの?
だったら嬉しい。
愛恋が戻ってくる
「沙那、ここにいたの?こーら。
聞かれたくなかったのに。」
「愛恋兄ちゃん、私の事が好きなの?」
「どうでしょう?」
はぐらかされて抱き締められる。
「沙那は愛恋兄ちゃんの事好きだよ。」
「うん、でも今は答えられないよ」
困ったような笑顔を浮かべられる。
その答えを知るのはしばらく後のこと。
もうすぐで保育園も卒業かぁ。なんかさみしいなあ。
「沙那?どうした?」
心配そうに顔を見つめてくる。カッコいいなあ。
「何にもないの。ぼけーてねしてだけなの。」
「ならいいんだけど。」
「うん」
「ねぇ、沙那。」
愛恋が桜を見つめる。まだ咲いていない桜を。
「咲かない花はね、花じゃないの。
それと同じでね実らない恋は恋じゃないと思うんだけどどうかな?」
難しすぎて分からないなあ。思わず首をかしげる。
「まだ5才だからわからないね。
ごめん、忘れて。」
悲しそうな顔をする愛恋に思わず抱きつく。
「愛恋兄ちゃん、沙那ね大好きだから元気だして?」
「ありがと。」
頭を撫でられる。愛恋の手すきだなぁ。
「よしっ。3月7日は誕生日だし卒園式もあるし買い物いくか!」
「お兄ちゃん、来週だよ?」
「いいの、行くよ。じゅんびしておいで。」
お気に入りの帽子をかぶって靴をはく。
バタバタと急いで愛恋がやってくる。
「お待たせ。いこ?」
手を繋いでデパートに行く。
まずランドセルを見る。
「沙那、何色がいい?」
「桜色かな」
「沙那ぽいね。」
優しく笑いかけられる
ランドセルを買ってもらい他に小学校に必要なものをいろいろ買ってもらう。
「沙那、疲れた?」
「少しだけ」
「じゃあ美味しいものでも食べる?」
「うん!!」
「かわいいんだから」
喫茶店につれていってもらう。
「僕とパフェ半分こにしようか?」
「うん!!」
愛恋がお店のお姉さんに頼む。
愛恋って
「大人だね。何でもできるもん。」
「そうかな。僕はもっと大人になりたいかな。」
「何で?」
「沙那をもっと守れるようにかな?」
そう言うと愛恋は顔がりんごみたいになった。
「お兄ちゃんはもう沙那のヒーローなの。」
精いっぱい言う。
「ありがと。ちょうど来たね。食べようか。」
2人でパフェを食べる。
「沙那は欲しいものある?」
「ないかな」
「じゃあ楽しみにしてて」
「ん?」
「僕が買ってくるよ」
「ありがとう」
パフェを食べ終えて2人で手を繋いで帰った。
~1週間後~
卒園式が終わり愛恋とお母さんと家に帰る。
家に着くと愛恋のお父さんがいた。珍しいなぁ。
「あっ、おじさん。久しぶりだね。」
「おっ、沙那ちゃんは相変わらずかわいいね。」
愛恋に似た顔で笑いながら私の頭をなでる。
「沙那、おいで。」
愛恋が少し怒った顔をしながら私をひざの上にのせる。
「沙那、今日みんなでお祝いしようね。」
「うん。ケーキは?」
「買ってくるよ」
お母さんが珍しくしゃべった。
「じゃあ愛恋、お父さんと沙良さん、出掛けるからお留守番頼むぞ。」
「んー、いってらっしゃい」
しょぼんとするけど愛恋と一緒だからいいかな。
「沙那、ちょっと行ってくる。ここで待ってて。」
「んー」
愛恋がリビングから出ていく。
「おとん、沙良さん、なんで沙那が誕生日の日に出かけんだよ。誕生日くらい寂しい想いさせんなよ。」
玄関にいるらしく声が聞こえる。
「愛恋、落ち着きなさい。お父さんたちは婚姻届を出しに行くんだ。」
「は?」
「いつまでもお前をあずけっぱなしはよくないだろ。それに…。」
「俺の気持ちはどうでもいいんだな。じゃあいってらっしゃい。」
おじさんがお父さんになるのかぁ。愛恋と結婚できないなあ。
愛恋が苛立ちながら戻ってくる。
「沙那、お待たせ。ってどうした?」
「…」
「泣かないの。」
「沙那、お兄ちゃんのお嫁さんになれないの?」
「大丈夫だよ。絶対になれるから。」
「本当?」
「うん。」
ちょうどチャイムがなる。
「沙那、一緒に見に行こうか」
「うん」
愛恋に抱き抱えられて玄関に行く。
「はーい、誰?」
玄関を開けるとかわいい女の子2人がいた。
中学校のお友達かな?
「なんで玖慈羅(くじら)と要珂(いるか)がいるんだよ?帰れよ。」
そっと地面おろされる
「沙那、リビングに行ってくれない?お兄ちゃん、このお姉さんたちとお話するから。」
「ん。分かったよ。」
リビングに戻るふりして話が聞こえる場所に隠れる。
「愛恋君、いつ学校に来るの?
愛恋君が来ないから淋しい」
「玖慈羅がいるから行かない。振られてるんだから諦めたら?」
「でも、」
「玖慈羅、ちょっといいかな。
愛恋、学校来ないのはいいけど不良と絡むのは良くないと」
「うるせーよ。おまえらに何がわかんだよ。さっさと帰れよ。玖慈羅の顔も見たくない。今、好きな人の面倒見てるから。じゃあ」
ドアを強引に閉める音がする。
愛恋、私の事が好きなの?
だったら嬉しい。
愛恋が戻ってくる
「沙那、ここにいたの?こーら。
聞かれたくなかったのに。」
「愛恋兄ちゃん、私の事が好きなの?」
「どうでしょう?」
はぐらかされて抱き締められる。
「沙那は愛恋兄ちゃんの事好きだよ。」
「うん、でも今は答えられないよ」
困ったような笑顔を浮かべられる。
その答えを知るのはしばらく後のこと。