それはバーの片隅で
「ちょっ……なに、はるかさん、近い」
マスターが背を向けたのを確認して、唇に軽くキスをした。
「……っ、はるかさ」
「大好きだよ、修司くん」
にっこり笑うと、修司くんは耳まで赤くなる。
「ああもう……参りました」
(修司くんは私をかっこいいって言ってくれるけど)
(たくさんの人にやさしい修司くんの方が、よっぽどかっこいい)
今度はカクテル言葉をしらべてみようかと思いながら、大好きなバーでの時間はすぎていく。
『それはバーの片隅で』完