あの夏の空に掌をかざして

 
 また、この夢だ。


 目の前には、見知らぬ公園で遊ぶ、顔にモヤがかかった男の子と女の子。


 女の子は出口に走り出してトラックにひかれ、血だらけで倒れている。


 そこで、いつも目が覚める。


「っ!」


 週に、結構な頻度で見るこの夢は、いつもと何の代わり映えもない。


 なのに、起きるといつも、汗を全身にかいて、心臓も日向と居るときみたいにどくどくいっている。


「……またこの夢」


 時計を見ると、まだ4時にもなっていない。ため息をついて、あたしはまた眠りに落ちた。


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