あの夏の空に掌をかざして
空は少しだけ暗くなって、少しずつ涼しくなってきている。セミたちのの鳴き声も、少しずつ聞こえなくなっていき、辺りは夏とは思えないほど静かだ。
あたし達は、港に来ていた。
二人で、真下は海があるアスファルトでできた石に座っている。
「……あかり、私も、あかりが大好きだよ、1番の親友って思ってるから」
「………うん」
二人とも、海の水平線のそれまた向こうを、見えない向こうを見つめていて、けれど意識は互いに集中していた。
楓は、自分の気持ちを、恥じらわずに伝えてくれている。
「あかりの子供っぽい所も、ドジでバカな所も、全部全部大事だって思ってる…その奥の、明るい所とか、優しいところとか、素直じゃないとこも、全部全部、私の大好きなあかりだから、」
「あかりが誰よりも頑張ってるの、誰よりも強いことも、私が誰よりも知ってるから」
「……だから、あかりは、ずっと私の心の中にいるよ」
楓が何について言っているのかなんて、分かりきっていた。
「だから、あかりは居なくならないよ、私は、あかりを忘れない、絶対!」
楓は、ちゃんとあたしに向き直って、そう言ってくれている。
……あ、やばい。
あたしは、そんな楓の顔が見れなくて、見たら泣いてしまいそうで、まだ水平線の向こうを見つめていた。
だって、仄かに体が、淡い光を発していることに気づいてしまったから。
あたし達は、港に来ていた。
二人で、真下は海があるアスファルトでできた石に座っている。
「……あかり、私も、あかりが大好きだよ、1番の親友って思ってるから」
「………うん」
二人とも、海の水平線のそれまた向こうを、見えない向こうを見つめていて、けれど意識は互いに集中していた。
楓は、自分の気持ちを、恥じらわずに伝えてくれている。
「あかりの子供っぽい所も、ドジでバカな所も、全部全部大事だって思ってる…その奥の、明るい所とか、優しいところとか、素直じゃないとこも、全部全部、私の大好きなあかりだから、」
「あかりが誰よりも頑張ってるの、誰よりも強いことも、私が誰よりも知ってるから」
「……だから、あかりは、ずっと私の心の中にいるよ」
楓が何について言っているのかなんて、分かりきっていた。
「だから、あかりは居なくならないよ、私は、あかりを忘れない、絶対!」
楓は、ちゃんとあたしに向き直って、そう言ってくれている。
……あ、やばい。
あたしは、そんな楓の顔が見れなくて、見たら泣いてしまいそうで、まだ水平線の向こうを見つめていた。
だって、仄かに体が、淡い光を発していることに気づいてしまったから。