あの夏の空に掌をかざして
「ごめんごめん、あかりちゃんが可愛いから」


 ほら、こうやって、頭を撫でてくれる。


 若干、子供扱いされているような気も否めないけど、あたしは、日向に頭を撫でられるのが、嫌いじゃない。


 こんな風に、あたしをおちょくることも沢山あるけど、それは、あたしを元気付けるためだって、分かってるから。


「…ねぇ」


 日向がん?と、あたしと目線を合わせるように屈んで、言葉を待ってくれる。


「ありがとね、いつも……」


 そして、いつもと変わらない笑顔をしてみせた。


 心のなかで、決意と、ほんの少しの不安を胸に秘めながら。
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