あの夏の空に掌をかざして
 おかしなお菓子のアトラクション、ツリーハウスのお店屋さんに、魔女たちのマスカレード。


 新しくできたこのテーマパークには、見たこともない、不思議なアトラクションやショップがいっぱいあった。


 あたし達が今いるところは、全体が真っピンクなお店だった。


「日向見てみて~!猫耳だよ!」


 耳付き帽子をかぶって、日向の方にクルリと向く。


「あかりちゃんは、どっちかっていったら犬だよね」


 すると、日向はダラリと下がった犬耳を持ってきて、あたしの頭に着けた。


「うん、似合ってるよ」


 あたしを見て納得したように頷き、日向はそう言って微笑んだ。


「なんかー、子供に服選ぶ親みたいー!」


 ぶーぶーいいながら頬を膨らませると、日向はあたしの両頬を片手で軽くつまんだ。


 ぷしゅー、と、頬から空気が抜けていく。


「な、なにしゅるの~!?」
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