あの夏の空に掌をかざして
 それから、あたし達はテーマパーク内のカフェで休憩しながら、お喋りをしていた。


 日向の体調が良くなると、もうテーマパークも閉園の時間だったので、あたし達は帰ることにした。


 日向は心底申し訳なさそうに、あたしに謝ってきたけど、もう充分色々回れたし、満足だったので、あたしは「ううん、すっごく楽しかった!」と言っておいた。


 少しだけオレンジ色になってきた道を、二人で歩き出す。


 ふと、日向が口を開いた。


「すごく楽しかったね」


「うん!魔女のマスカレード凄かったよね!」


 あたしは、テーマパークで買った、犬の耳がついたカチューシャを付けながら、笑顔でそう言った。


 日向も、いつもと変わらないように見えるが、楽しめたようだった。


「また、一緒に行こうね」


 隣から、日向のそんな声が聞こえた。

















「ーーーーーーーーーうん!」


 あたしは、少しの沈黙のあと、そう言うことしか出来なかった。
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