あの夏の空に掌をかざして
 そしてーーーーーー。


プップーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーキキィィィ!!


 男の子は、幼いあたしを庇って、大型トラックに轢かれてしまった。


 鈍い音のあとに、男の子が地面に叩きつけられる音がする。


 血痕があちこちに散らばり、その頭部からは、尋常じゃないほどの出血をしている。


 おおよそ、助かるような状態ではなかった。


 幼いあたしは、その光景に暫し呆然としていたけど、ハッと我に返ったのか、男の子にかけ寄ってきた。


『×××くん!×××くん!死なないで!!』


 その時、男の子の顔が、チラリと見えた。


「……え?」


 幼いながらも、整っていると分かる容貌。


 でもそれは、あたしにもよく見慣れていて。


 だって、その男の子の顔は、幼い頃の日向の顔だったから。

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