あの夏の空に掌をかざして
「ねぇ」


 陽ちゃんを撫でながら、背中越しに日向に話しかける。


 ん?という声が、後ろから聞こえた。


「陽ちゃんってさぁ、誰が名前を付けたの?」


 ずっとモヤモヤしてる、あの男の子と、陽ちゃんの名前が一致していること。


 もしかしたら偶然かもしれないけど、一応訊いておこうと思った。


 だけど、日向の口から飛び出たのは、予想外の言葉だった。


「覚えてないの?陽の名前付けたの、あかりちゃんなのに」


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