あの夏の空に掌をかざして
 ……また、この夢?


 あたしは、舌打ちしそうになるのを堪えて、目の前の、何度見たかももう数えていない光景を眺めていた。


 いつもと同じ、あの公園。そこで遊んでいる、5歳くらいの顔も見えない男女。


 女の子は出口に走り出し、男の子はついていく。


 先の展開を知っているあたしは、そこで女の子はトラックに、と思った時だった、


「っ!」


 ドンッ!と、男の子が女の子の背中を押し出し、なんとか女の子は転んだだけで済んだ。


「え…いつもと、展開がちがう?」


 あたしは、突然の変化に戸惑う。何度も願っていた光景だったけど、突然そうなると、対応なんてすぐには出来ない。


 男の子は女の子に駆け寄る。二人は笑い合っていたような気がした。


 そこで、目が覚めた。
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