あの夏の空に掌をかざして
 だから、あたしもこのループを繰り返してるんだ…。日向も、10年後に………?


 そう考えると、更なる絶望があたしを襲った。


「それを繰り返し、霊的な力が弱まり出すと、それは突然になくなる。そして、力が強まり出すと、ループは繰り返されるんだ。そうすると、負の想いは更に強まる。こうして、伝説は続いてきた」


「………」


「ここの記憶を見てきて、ボクが推測した事だけど、多分、当たっていると思う」


 そう言った瞬間、頭のなかに、色んな映像が流れてきた。


 それは男の人だったり女の人だったり、お年寄りだったり子供だったり。共通しているのは、最初に"助けられる側"だった人が、次には"助ける側"になっていったことだった。


 その中には、陽くんの姿もあった。


 この中に、あたしも付け加えられてくのかなぁ…なんて。


 そして、呪い(伝説)は更に力を強めているのだ。


「あかりちゃん…」


 陽くんの声は、もう聞こえていなかった。


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