あの夏の空に掌をかざして
「ごめんね………すきになってごめんなさい…っごめんなさい」


「あかりちゃん…」


「日向は忘れるけど………もういいから…」


「あかりちゃん」


「あたしが、全部もってくから……日向は、何も気にしないで」


「あかりちゃんっっっ!」


 突然大声を出した日向に、ビクッと肩を鳴らした。


 反射的に顔を上げたあたしの肩に、日向が両手を置いて、逃げられないようにする。


 日向………?


 次の言葉を聞きたくなくて、目を固く瞑る。


「あかりちゃん」


 凛とした、日向の声。


「僕、あかりちゃんの気持ちが知れて、嬉しかったよ」


「…ぇ」


 目を見開いたあたしに、優しく微笑んで、日向は言った。
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