あの夏の空に掌をかざして
「ーーーっ」


「あかりちゃんが、好きだよ」


 驚いているあたしに、日向は安心したような声で、もう一度言った。


 日向が…あたしを好き?あたしなんかを…すき?


「う、うそ…だって」


「嘘じゃないよ」


 日向に、もう一度抱き締められる。


 日向の匂いが、鼻腔いっぱいに広がる。


 それだけで、現実なんだと理解した。


 あたしの涙が服に付くことも憚らず、日向はその逞しい胸で、あたしを強く抱き締める。


 震える指を動かして、両手で日向の背中にしがみつく。


 それを認めると、日向は更に強く、あたしを抱き締め返してくれた。


 あたしは、日向と両想いになれたんだ。

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