あの夏の空に掌をかざして
第1章
夏休み
「も~、こんなの終わるわけないじゃん」
高校一年生になって初めての夏休みの終盤、あたし小鳥遊(タカナシ)あかりは、早くも宿題地獄に苦戦していた。
だけど嫌じゃない、だってーーーーーーーー
「はいはい、口より手を動かしてね」
幼馴染みで同級生の、浜崎日向(ハマサキ ヒナタ)くんの家で教えてもらってるから。
「もーむり~、休憩しよ?」
日向は呆れたように、「まだ始めてすぐじゃない」と口では言うけど、あたしに合わせて休憩タイムを設けてくれた。
アイスを出してくれに行った日向の背中を見つめながら、心の奥がむずがゆくなるのを感じた。
「……優しいなあ」
日向とあたしは、生まれたときから一緒。生まれた病院も、保育園も、幼稚園も、小学校も中学校も、高校だって。
あたしたちは、まるでほんとの兄弟みたいに、一緒に育ってきた。
だけどあたしに、日向への兄弟以上の気持ちが芽生え始めたのはいつからだったっけ。
高校一年生になって初めての夏休みの終盤、あたし小鳥遊(タカナシ)あかりは、早くも宿題地獄に苦戦していた。
だけど嫌じゃない、だってーーーーーーーー
「はいはい、口より手を動かしてね」
幼馴染みで同級生の、浜崎日向(ハマサキ ヒナタ)くんの家で教えてもらってるから。
「もーむり~、休憩しよ?」
日向は呆れたように、「まだ始めてすぐじゃない」と口では言うけど、あたしに合わせて休憩タイムを設けてくれた。
アイスを出してくれに行った日向の背中を見つめながら、心の奥がむずがゆくなるのを感じた。
「……優しいなあ」
日向とあたしは、生まれたときから一緒。生まれた病院も、保育園も、幼稚園も、小学校も中学校も、高校だって。
あたしたちは、まるでほんとの兄弟みたいに、一緒に育ってきた。
だけどあたしに、日向への兄弟以上の気持ちが芽生え始めたのはいつからだったっけ。