あの夏の空に掌をかざして
「っ日向、あの、」
公園の出口から出ると、そこには道路があって、あたし達は信号を渡ろうと、青になるまで待つ。
ここは交通量が多いのか、他の車の音のせいで、日向には、あたしの声は聞こえなかったようだ。
信号が、青に変わった。
あたしは、もう一度日向を呼ぼうと、口を開く。
その時だった、
プップーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーキィィィ!!
ドカン。日向の体が、ちゅうにういた。
あたしは、その光景を、ただ見ていることしかできなかった。
日向に駆け寄ろうとしたけど、あたしは動くことができなくて、手足が変な方向に曲がって、息をしていない日向を、見つめていることしかできなかった。
その代わり、体が発光していることに気付いた。
体が薄く、透けていく。あたしはなにも出来ずに、ただただ自分が消え、日向から血が流れていく中で、声も発することが出来ない。
だけど、不思議と恐怖感は微塵もなくて、まるで悪い麻薬でも使ったかのように、ふわふわと、意識が遠退くのを感じた。
そして気付く。
ーーーーあぁ、この場所は、あの夢に出てきたところとそっくりなんだ。
あたしは、それを最後に意識をてばなした。