あの夏の空に掌をかざして
『てか私、明日も早いんだけど?帰宅部のあんたとは違ってね~』
「うっ……ごめん~、でも今だけ聞いてよ~!」
楓はちょっと気が強いけど、根は優しい子だ。現に今も、ぶつぶつ言いながらもちゃんと聞いてくれている。
ちょっとだけ、日向に似ているな、なんて。
「あたし……もう諦めちゃおうかな……日向のこと…」
『………………』
楓は、黙ってあたしの話に耳を傾けてくれている。
「だって、日向はかっこいいし優しいし、運動も勉強もできて、皆からモテるんだもん……」
「あたしなんて、ただの幼馴染みってだけで、異性としても見られてない」
「それに子供っぽいし平凡すぎて、あたしなんて日向に釣り合わないよ…………」
"日向はモテる"それは小学校の頃からそうだった。何でも出来るのにそれを驕ってなくて、誰に対しても優しい。
昔はモテていることに無自覚だったし、そういうのに興味がある気配がなかったから、彼女もつくったことがなかった。だけど、高校になって、周りもそういうのに興味をもったりして、恋愛とかがもっと身近になった。
日向に彼女が出来るのも、時間の問題かもしれない。
そんな考えが、あたしの心の不安と焦りに、更に拍車をかけたのだった。
「うっ……ごめん~、でも今だけ聞いてよ~!」
楓はちょっと気が強いけど、根は優しい子だ。現に今も、ぶつぶつ言いながらもちゃんと聞いてくれている。
ちょっとだけ、日向に似ているな、なんて。
「あたし……もう諦めちゃおうかな……日向のこと…」
『………………』
楓は、黙ってあたしの話に耳を傾けてくれている。
「だって、日向はかっこいいし優しいし、運動も勉強もできて、皆からモテるんだもん……」
「あたしなんて、ただの幼馴染みってだけで、異性としても見られてない」
「それに子供っぽいし平凡すぎて、あたしなんて日向に釣り合わないよ…………」
"日向はモテる"それは小学校の頃からそうだった。何でも出来るのにそれを驕ってなくて、誰に対しても優しい。
昔はモテていることに無自覚だったし、そういうのに興味がある気配がなかったから、彼女もつくったことがなかった。だけど、高校になって、周りもそういうのに興味をもったりして、恋愛とかがもっと身近になった。
日向に彼女が出来るのも、時間の問題かもしれない。
そんな考えが、あたしの心の不安と焦りに、更に拍車をかけたのだった。