あの夏の空に掌をかざして
「もう、こんなに散らばっちゃってるじゃない」


「うー、ごめんなさ~い」


 二人で協力して、細かいガラスを拾う。日向は危ないからと一人でやろうとしたけど、これはあたしに原因があるから、流石に日向一人にやらせるわけにはいかない。


 カーペットはお茶に濡れ、いつものふかふかさは微塵も残っていない。


「っっ!!」


 よそ見をしていたせいで、体重をかけた左手の下に、ガラス片があったことに気が付かなかった。


 手のひらを見てみると、人差し指に、赤い半球がぷくりと浮き上がる。


 ガラス片が中に入ってしまって、ズキンとした痛みが延々と続いている。


「あかりちゃん、どうしたの?」


 日向があたしの様子に気付いて、お茶を拭いていた手を止めてこちらに歩いてくる。


「……あ」


 押さえていた左手を優しくて掴まれて、日向の方へ寄せられる。その間も鈍痛は続いていて、顔をしかめる。

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