あの夏の空に掌をかざして
【143回目】

 今回もデートを取り止めにして、家で日向といた。

 日向は感電を阻止しても、そのあと棚の上から落ちてきた食器や包丁が顔面に直撃して死んでしまった。



【144回目】

 今回もデートを取り止めにして、家で日向といた。

 お皿や包丁を棚から下ろしても、そのあと蛍光灯が落ちてきて、日向は出血多量で死んでしまった。



【145回目】

 今回もデートを取り止めにして、家で日向といた。

 蛍光灯を取り外しても、そのあと雨のせいでベランダから滑って死んでしまった。



【146回目】

 今回もデートを取り止めにして、家で日向といた。

 ベランダへは行かせないようにしても、そのあと泥棒が入ってきて、日向はあたしを庇って死んでしまった。



【147回目】

 今回もデートを取り止めにして、家で日向といた。

 ドアの鍵をちゃんと閉めていても、そのあと窓から泥棒が入ってきて、日向はあたしを庇って死んでしまった。



***



【170回目】

 今回もデートを取り止めにして、家で日向といた。

 今回は日向は死ぬことなく、あたしも安心していた。

 けど、時刻が午後10時になった瞬間、日向は突然口から血を噴き出して、死んでしまった。


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