あの夏の空に掌をかざして
「ごめーん、またせた?」
「ううん、大丈夫!あたしこそごめんね!こんな急に」
二人で話しながら、図書館の中に入る。図書館の中は空調が効いていて、すごく涼しかった。
読書用のイスと机に鞄を下ろすと、楓に「それで、何を調べる?」と訊かれた。
「そうだな~、まずはこの町の歴史とか調べよ!」
そうして、あたし達は本棚の"歴史コーナー"と書いてある所に向かった。
タイトルや本の古さから選んで手に取り、パラパラとめくる。歴史コーナーは、他より棚が多くて、裏にも表にも本がしまわれている棚が数十数台あった。
だけど大半が日本の歴史や偉人伝だったので、この町に関連したことがかかれている本は少ししかなかった。
その中から、あたし達が知りたいことが載ってそうな本を選ぶまでに、2時間かかってしまった。
ドサリ、と、選出して運んできた本を、机の上に置いた。