【短】あなたの鍵が見つからなくて
もう、知らない。
10時過ぎちゃってるし、疲れたし、もう寝ちゃおう。
「嫌いなら嫌いって言えばいいじゃない!」
無反応。
本当にこの人、何考えてるかわかんない。
「おやすみ……」
「待てよ!」
「え、わ……っ!」
いきなり立ち上がって、今日みたいに力強く引っ張られる。
予想もしなかった行動に、あたしは瑠佳さんの上に乗っかるように倒れてしまった。
「ごめん……なさい」
すぐに彼から離れようとするけれど、なぜか抱きしめられる。
「なに、してるの……」
「ごめん」