【短】あなたの鍵が見つからなくて
「よし、いざ!」
1時ちょっと過ぎ。
2階建ての可愛い雰囲気のアパートが見えてきた。
赤い屋根に、優しいクリーム色の壁。
管理人さんへの挨拶は後にして、とにかく荷物を置いてから……。
そう思って部屋の前まで行く。
"E"と書かれたドアの前。
躊躇したら緊張すると思って勢いよく鍵を突き刺し、ドアを開けた。
「あたしの新しい部屋!」
「誰だ、お前」
「…………」
美人な……男が睨みつけていますが。
あなた、誰ですか!?