*愛。*―あなたがくれたモノ―




私と海斗は近くに留めておいた、海斗の車に乗った。



「海斗、車持ってたんだね。すごい。」


「そ-か?そんな事ね-よ!」


「葵が乗った事ある男の車の中で海斗のが一番格好いいし!」



―あ。
軽い女って思われる…

馬鹿だ私。
何やってんだろ―


「まぢ?それは光栄なことで♪」



それから、
車の中は沈黙が続いた…。


いつもなら、たわいもない話で盛り上がるのに…、


何も言わないし、
何も言えなかった。






沈黙の中で私は
何処に行くのだろう?

とばかり考えていた。










「着いた。降りるぞ、葵。」


「うん…」



着いたそこは、

海だった…。

まだ少し肌寒い
春の海だった…。



「海だ―。久しぶりだ―!」


久しぶりに見た海にテンションが上っていると…、



「葵、こっち。」


そう言って海斗は砂浜に座った。









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