＊愛。＊―あなたがくれたモノ―

涙が止まらない葵を海斗は抱き締めた｡



強く強く抱き締めた…｡


｢葵､ごめんな…?変な事聞いて｡
でも､知っておきたかったんだ…｡

葵が好きだから…｡｣



―え…?

海斗…?

今何て―…?




｢え…?ヒッ…ク…か､海斗…?｣



訳が分らない私に海斗は…､


もぅ一度ゆっくりはっきりと言った｡



｢好きだ｡
でも､今までの男みたいにはなりたくない｡
葵の記憶にも残らないような男には…

絶対になりたくない｡

葵に愛されない男にはなりたくたい…｡｣



｢…ｯク…海斗ぉ…｡｣



｢なぁ､葵…?お前は誰かを愛した事が有るか…?｣

―無い｡

無いよ…､私愛したことも､愛されたことも無いよ…｡



｢愛されたことがあるか?本当の愛だぞ?
本当の愛で愛されたことがあるか…?｣




―無いよ…

一度だって無いよ…



私には愛した記憶も
愛された記憶も無いよ…｡

私は愛を知らないよ…｡











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