*愛。*―あなたがくれたモノ―
しばらくして、
泣きやんだ私は…海斗に話した…。
家族にも愛されたことが無かったこと、
それで今は一人暮らしをしていること、
ずっと寂しかったこと、
寂しさを忘れたくていろんな男と関係を持ったこと、
一度も誰かを愛したことが無いこと、
―そして、
海斗を好きなこと…。
途中で泣いて、
何度も言葉か詰まって、何を言ってんのか分らなくても、
海斗は、
「うん。それで?」
って優しく聞いてくれた。
全てを話した後…
海斗が口を開いた。
「葵も沢山辛かったんだな…、寂しかったんだな…。」
「…うん。」
「愛ってのわ、簡単そうで難しいんだ。」
「…愛?」
「そう、愛。葵は愛が何か分るか?」
「ん―…分んない。」
「だよな、俺だって葵の年で愛が何なんて答えられなかったし…。
葵なんてなおさらだな。」
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