*愛。*―あなたがくれたモノ―




4:30よりも早く、校門の前で待つ。


待ってる間もず-っと何て言おうか、考えていた。



「よッ!葵。乗れ!」


「…うん。」


「どうした?何か暗くね?」

「そんな事…ないよ。」


「…そっか…。葵?ちょっと行きたい所有るんだけど、いい?」


「うん…、いいよ。」





海斗怒ったかな…?


どうしよ…。


やっぱ言うの止めようかな?








「着いた。葵、降りるぞ。」

「ここ…。」



着いた所は海だった。



2人が始まった海だった。


初めて誰かに弱さを見せた所だった…。


初めて愛を知った海だった…。




「葵、こっち。」


そう言って優しく笑う海斗。


その顔が私には眩しくて…、


似合わなくて…、


あまりにも綺麗過ぎて…、


目を逸らしてしまった。


目を逸らしながら、海斗の隣に座った…。












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